💭 職場のストレスケアに役立つオフィスアロマ|メンタル不調と心理的安全性を支える香り設計
「最近、何となく職場全体がピリピリしている」「ミスや離職が増えてきた気がする」――そんな時、
香りは、あくまでメインの解決策ではなくサポート役として、
空気感と心理的安全性を整えるのに役立ちます。
このページでは、メンタル不調やストレスが気になる職場で、
オフィスアロマをどこまで活用できるのかを整理しながら、NG運用と
配慮のポイント、そして
人事・総務・産業保健の実務とどうつなげるかを解説します。
香りだけで全ては解決しませんが、「話しやすい空気」「ほっと一息つける場所」を作ることで、
社員の小さなサインを見逃さない土台づくりにつなげていきましょう。
📖 この記事でわかること
📉 ストレスが高い職場で起こりやすいこと
まず、「香りで何とかする前に」、職場でどのような変化が起きているのかを整理することが大切です。
ストレスが高まっている職場では、目に見えるサインと見えにくいサインが、少しずつ同時に進行していることが多くあります。
集中力低下・ミス増加・コミュニケーション悪化
ストレスが慢性化すると、まず影響が出やすいのが集中力と判断力です。
ちょっとした確認漏れや、いつもならしないような凡ミスが増え、
報連相が後回しになったり、打ち合わせでの発言が減ったりします。
また、コミュニケーションがギスギスしてくると、
「どうせ言っても変わらない」「余計なことを言って嫌われたら嫌だ」という感情が働き、
課題が表に出づらくなります。こうして、ストレスの要因が見えにくいまま蓄積され、
結果的にミスや離職として表に出てくる…という流れが生まれます。
香りは、この「話したくない雰囲気」「重たい空気」を根本から変えることはできませんが、
会議室や休憩スペースを少しほっとできる空間に整えることで、
会話や相談が生まれやすい空気を後押しすることができます。
香りが「きっかけ」になり得る理由
嗅覚は、感情や記憶をつかさどる脳の領域(大脳辺縁系)と近い場所で処理されると言われています。
だからこそ、「なんとなく落ち着く」「ほっとする」といった感覚が、
言葉よりも先に立ち上がりやすい感覚刺激です。
もちろん、香りだけでストレスの原因が消えるわけではありません。
ただ、面談室や休憩室の空気が柔らかく感じられることで、
「ちょっと相談してみようかな」と思える人が増えるきっかけにはなります。
つまり香りは、メンタルケアへの入口を広げる「環境づくりの一要素」として活用できるのです。
香りだけで解決しないことも、はっきり伝える
一方で、人事・総務・産業保健の立場からは、「香りさえあれば大丈夫」という誤解を生まないことが重要です。
労働時間、業務量、評価制度、人間関係など、
本質的なストレス要因に向き合うことなく香りだけを導入すると、
社員からは「ごまかされている」と受け取られてしまうリスクもあります。
そのため、オフィスアロマを導入する際には、
「あくまでメンタルケア施策の一部であり、環境面のサポートです」と
きちんと言葉で説明しておくことが大切です。
この記事の後半で紹介するウェルビーイング施策との組み合わせ方も、
ぜひセットで検討してみてください。
🌿 メンタルケア視点での香り選びの基本
メンタルケア目的で香りを使うときは、
「よく知られている精油だから」「好き嫌いが分かれにくそうだから」といった理由だけで選ばないことがポイントです。
避けたい香り・控えた方がいい場面を押さえたうえで、
落ち着き・安心感を優先した設計にしていきましょう。
避けたい香り・控えた方がよい場面
- 強い刺激のある香り:ペパーミントやシナモン、クローブなど、刺激が強い精油は、頭痛や吐き気を誘発する人もいます。
- 甘さが強すぎる香り:バニラ系・濃厚なフローラル系は、閉鎖的な空間では重く感じられやすく、かえって疲労感を高めることも。
- 長時間・高濃度での連続運転:「香り疲れ」を起こしやすく、ストレスケアどころか新たなストレス源になる場合があります。
特にメンタル不調を抱えている方は、香りや音、光など外部刺激への感受性が高まっていることがあります。
「少し物足りないかな?」くらいの弱さを基準にするのがおすすめです。
落ち着き・安心感をもたらしやすい香り
職場でのストレスケアを意識したいときには、以下のような「落ち着き・安心感」を連想しやすい香りをベースにします。
- ラベンダー:リラックスの代表格。緊張緩和・入眠サポートのイメージが強く、面談室や休憩スペースに適しています。
- スイートオレンジ:明るくやわらかい柑橘系。甘さが強すぎず、「ほっとする」印象を作りやすい香りです。
- フランキンセンス:呼吸を深くし、気持ちを落ち着かせる助けになると言われる樹脂系の香り。深い対話をしたい1on1に。
いずれも、単品で使うか、最大でも2~3種類までのシンプルなブレンドに留めるのがおすすめです。
複雑なブレンドは個人差が出やすく、好みが割れやすくなります。
強度・時間・頻度の考え方
- 強度:「入室時にほのかに分かる/席に座るとほとんど意識しない」くらいが目安。
- 時間:面談やミーティング開始の10~15分前から運転し、開始後30分以内に停止。
- 頻度:毎日・終日ではなく、「ここぞ」という場面に限定して使う方が、香りの特別感が保てます。
ストレスケア目的の場合、「ずっと香っている」ことよりも、
「ここに来ると少し落ち着く」「この時間は自分を整えられる」
という感覚を支える方が重要です。
🏢 シーン別・ストレスケア向け香り運用例
ここからは、実際のオフィスシーンごとに、香りをどう使い分けるかのイメージを具体的にしていきます。
大切なのは、香りそのものよりも、「その場をどういう時間にしたいか」という目的です。
1on1・面談室のアロマ設計
1on1や面談の場は、「安心して話せる時間」を作ることが第一です。
香りは、相手にプレッシャーをかけないよう、以下の点を意識します。
- ラベンダー+スイートオレンジをごく少量(20㎡あたり1~2滴程度)
- 面談開始10分前に運転開始し、開始時点で一度停止
- 机上や椅子の真後ろは避け、部屋の隅・床から50~80cmの高さに設置
面談の内容によっては、香りの有無自体が気になる方もいます。
面談案内メールや予約フォームで、「香りの使用を希望しない場合は事前にお知らせください」と
一言添えておくと安心です。
リフレッシュスペース・休憩室の香り
休憩室やリフレッシュエリアは、「業務から少し離れて、自分をリセットする場所」です。
ここでは、気分転換+ほっと一息をイメージした香りが向いています。
- スイートオレンジ+グレープフルーツ(合計2~3滴/20~25㎡)
- お昼休みの前後・15時前後など、利用が多い時間帯だけ運転
- 「ここは香りを使っています」と分かるような小さな掲示を設置
「香りのある休憩スペース」があることで、席でだらだらスマホを見るだけの休憩から、
意識的に身体と心を休める習慣へと切り替えやすくなります。
繁忙期限定で使う「応援ブレンド」
決算期や大型プロジェクトの山場など、どうしても負荷が高くなる時期には、
期間限定で「応援ブレンド」を使うのも一つの方法です。
- ローレルリーフ+レモン(前向きさとクリアさをイメージ)
- 朝の始業前・昼休み前後など、1日2回・各30分以内
- 「〇月限定ブレンド」として社内ポータルで紹介し、意味づけを共有
ただし、繁忙期こそ体力・メンタルが限界に近づきやすいタイミングです。
「香りがあるから頑張れる」ではなく、
「頑張りすぎていないか、立ち止まって確認するきっかけ」として活用するとよいでしょう。
🛡 配慮ポリシーと情報開示のポイント
メンタルケア目的のオフィスアロマは、「よかれと思ってやったこと」が逆効果にならないよう、
事前のポリシー設計と情報開示が不可欠です。
アレルギー・妊娠中・持病への配慮
- 社内ポータル・掲示に「香りを使用する場所・時間帯・精油名」を明記
- 妊娠中・持病のある方・アレルギーが心配な方は、事前に相談できる窓口を明示
- 対象者がいる場合は、その場では使用を控えることを原則とする
「心配なら自己責任で避けてください」ではなく、
会社側から積極的に配慮する姿勢を見せることが、
心理的安全性の土台づくりにもつながります。
イントラ・社内ポータルでの情報公開例
イントラや社内ポータルには、次のような情報をまとめたページを1つ用意しておくと便利です。
- オフィスアロマを導入している場所・時間帯の一覧
- 使用している精油名・ブレンドの目的(例:休憩室=気分転換、面談室=安心感)
- 香りが合わない場合の対応方針・連絡先
「何をされているのかよく分からない」状態は、不安や不信感の元になります。
情報を開示して、選択の余地があることを伝えておくことがポイントです。
相談窓口・匿名フォームの設計
香りに関する不満や体調の変化は、とても言い出しづらいテーマです。
そのため、複数のチャネルを用意しておくと安心です。
- 総務・人事へのメールアドレス
- 社内チャットツールの専用チャンネル
- 完全匿名で意見を送れるWebフォーム
集まった意見は、月1回程度で集計し、運用の見直しに反映していきます。
「意見を出したらちゃんと反映された」という経験を重ねていくことで、
香りだけでなく、他の職場環境改善の意見も出やすくなっていきます。
🤝 ウェルビーイング施策との組み合わせ方
オフィスアロマをメンタルケアやウェルビーイングの観点で位置づけるとき、
重要なのは「単独の施策」にしないことです。
既にある制度や取り組みと組み合わせることで、社員にとって意味のある体験になります。
メンタル支援制度と香り運用の連携
例えば、EAP(従業員支援プログラム)や
産業カウンセラーとの面談体制が整っている企業であれば、
面談室の香り設計をその延長線上に位置づけることができます。
- 面談室の入口に「ここでは弱い香りを使用しています」と掲示
- メンタルケア関連の社内説明資料に、「環境面の工夫」として香りを掲載
- 香りが合わない場合の対応方針も、メンタルケア制度の一部として明記
こうすることで、「香り=おしゃれな演出」ではなく、
「本気でメンタルと向き合うための環境づくり」として伝わりやすくなります。
研修・勉強会での「体験型」導入
メンタルヘルス研修やストレスマネジメント研修の一部として、
実際に香りを体験してもらう時間を設けるのもおすすめです。
- 個包装のアロマシートやムエットを配布し、「好き/苦手」を感じてもらう
- 「香りをきっかけに、今日1日の疲れを一度リセットしてみましょう」といったワークを行う
- 研修後、希望者のみが使えるミニキットや休憩スペースへの案内を行う
体験を伴うことで、オフィスアロマが「自分ごと」としてイメージしやすくなり、
その後の運用への理解や協力も得られやすくなります。
離職防止・定着率との関係性の整理
経営層への説明や稟議の場では、
「香りを導入したから離職率が下がる」といったシンプルな因果関係は打ち出さず、
「環境要因の一つとして、働きやすさ・心理的安全性を下支えする」
という位置づけを明確にしておくことがポイントです。
- ストレスチェック結果の「職場環境」領域とセットで説明する
- 社員アンケートで「職場のにおい・空気感」に関する項目を追加する
- メンタルケア施策全体の中で、香りをどこに位置づけるかを図解する
数字だけで評価しにくい施策だからこそ、
定性・定量の両面から「どんな変化が起きたか」を記録し、
毎年の見直しにつなげていくことが大切です。
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